准看護師とは?正看護師との違いや役割、ステップアップについて解説


看護や介護などの現場で活躍する看護師には、正看護師の他に准看護師があります。
実際に与えられている役割や仕事の内容は正看護師と大きく変わらないのに、立場的には正看護師の方が上です。
では、准看護師にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
資格の取得方法や准看護師のステップアップについて詳しく解説していきます。

准看護師とは?

准看護師は都道府県知事発行の免許のもと、医師(歯科医師)や看護師の指示のもとで看護や診療の補助をする専門職です。
取得した資格は発行された都道府県以外の地域でも有効なので、日本全国どの地域でも准看護師として働くことが可能です。

就業場所は病院や診療所、社会福祉施設や介護施設などさまざま。
原則として医師や看護師の指示のもとで活動するため、自己判断で看護業務を行うことはできません。

准看護師のメリット

①2年で資格が取得でき、費用も安い
准看護師は正看護師に比べて資格取得までにかかる時間が短いため、少ない費用で早く看護資格を取得することが可能です。
できるだけ早く現場で仕事に就き、経験を積みながら正看護師を目指したいという方には特におすすめです。

②仕事をしながら資格取得ができる
准看護師の資格取得には、朝から夕方まで授業を行う全日制の他に、午後や夜間に授業を行う半日制の養成所もあり、生活スタイルに応じて学習が可能です。
そのためパートやアルバイト、場合によっては正社員として働きながら資格を取得できます。

③年に複数回の受験ができ、合格率も高い
准看護師の試験は各都道府県ごと、年に複数回行われており、合格率も97%以上と非常に高いです。
資格を取得すれば全国どこでも就職ができるほか、就職先も病院や介護施設など幅広いため、仕事先に困ることはほとんどありません。

准看護師から正看護師になるには

ずっと准看護師として補助的な役割を続けていくことも可能ですが、正看護師へのステップアップする選択肢ももちろんあります。
准看護師の資格を持っていれば、全日制、定時制の養成所で学習することによって国家試験を受けることが可能です。
ただし、最終学歴が中学卒業の場合は3年の実務経験が必要です。
また、通信制の看護師養成所でも資格取得が可能ですが、この場合最終学歴に関係なく7年の実務経験が必要になります。

准看護師と正看護師の教育について

正看護師になるには高校卒業が必須条件となりますが、准看護師は中学校を卒業していれば養成所に通うことが可能です。
必要とする教育の時間も正看護師が3,000時間以上の履修と1,035時間以上の実習が必要なのに対し、准看護師は1,890時間以上の履修と735時間以上の実習で可能です。

資格取得までに必要とされる時間が短くハードルも低いため、看護師を目指すよりも准看護師を目指した方が早く現場に出て経験を積むことができます。
そのため「看護師になるためにまずは准看護師を目指している」という方も少なくありません。

准看護師の業務内容

准看護師と看護師の業務内容は、実務としてはほとんど変わりません。
大きく違うのは「准看護師は自らの判断で業務ができない」という点です。
そのため一般業務の結果がどんなに優れていても役職に就くことができません。
キャリアアップを目指すのであれば正看護師の資格を取得する必要があります。

准看護師にできること

  • バイタルチェック
  • 血圧などの測定
  • 点滴・注射・採血
  • 食事や排せつ、入浴などの介助
  • 診察や手術の補助
  • 配薬
  • カルテの記入

准看護師にできないこと

  • 自己判断による看護業務
  • 看護師への指示出し
  • 管理職への昇進
  • 看護計画の立案

准看護師が必要とされる理由

准看護師と正看護師で業務は大きく変わらないのになぜ異なる資格が設けられているのかというと、看護職員の人手不足が大きく影響しています。
医療・介護・福祉を支える現場において必要とされている看護職。その中で約4割が准看護師です。
それでも、高齢化社会が進む現代において、看護職員は不足するとされており、今後もさらにニーズが高まっていきます。

准看護師は正看護師に比べて資格取得までの時間が短く、一度一般企業に就職した後でも目指すことが可能です。
正看護師へのキャリアアップも可能なので、かなり間口が広がっていると言えます。

准看護師誕生の歴史

准看護師は、実際には現代の高齢化に向けて設けられた制度ではなく、第二次世界大戦後に誕生した制度です。
戦後、経済の成長と共に病院の数も大きく増加し、看護師の需要が増加しました。
しかし、当時は女子の高等学校への進学率が低かったため看護師になるための条件を満たすことができませんでした。

そこで誕生したのが中学卒業後、2年の課程で資格を取得できる准看護師です。
現在でもその名残から中学校卒業の資格があれば准看護師を目指すことが可能となっています。

地方の医療を支える准看護師

高齢化の波は都市部に比べて地方の方が顕著です。
その一方で、医療機関は人手不足に悩まされていることも多く、人材を欲しています。
それは准看護師の方も例外ではありません。

小豆島ナースサポートセンターでは、小豆島に移住する看護職の方々をサポートします。
小豆島に移住して看護職の仕事をしたいとお考えの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。